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近付かないでさっさと走れば良かった…
今、あれだ、全力で後悔している
近付いた事によって女性の全貌がわかった
左腕から先はない
服がボロボロ
身体の至るところから血が出ている
右目から右頬の下にかけて大きく皮膚が破れて、下の筋肉質が見えている
と言った感じだ
その女性と俺は目が会ってしまった
走れと頭では思うのに、恐怖心によりうまく動かない
この恐怖心を例えるなら
まったく予想しない位置にいたゴキブリが出てきて、こっちが動いたら向こうも動きそうで怖い、みたいな恐怖心を大きくしたものだ
ただ、違う点は…その標的が段々と迫ってくることだ
(ヤバいヤバいヤバいヤバい)
距離にして二メートル
本気で焦る
が、動かない足
突如、辺りに響く叫び声
その瞬間、俺は呪縛が解けたかのように体が動くようになった
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