ヒカル

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「何ともないと言ってるだろう。そんなに僕の言う事が信じられないのなら、今すぐに、検査でも何でもしたまえ」 私は彼が怒鳴る声を聞いたのは始めてだった。 宥めるのも聞かず、ヒカルは後ろ手に乱暴にドアを閉め、部屋から出て行ってしまった。 慌てて追いかけたが、彼は掴まらなかった。 何の話をしたかったのかわからないまま、結局それから、個人的に私を訪ねてくる事はなかった。 定期検査の時も、彼は必要な事以外、ずっと黙っていた 痺れを切らしたのは私の方だった。 検査結果をかこつけて、私は、ヒカルの家に電話をした。
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