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俺は移動して、ある場所に向かう。そこは、山の麓の洞窟だった。近くまで来たところで、緊張した表情でアリスが言った。
「え?この先って、凄く嫌な感じがしない?お兄様・・・」
不安そうに言うアリスにクスクス笑いながら、俺は言った。
「ああ。大丈夫ですよ。この先にね。知り合いがいるんですよ」
「し・・・・・知り合い?・・・ええ???!!!」
困惑した表情で言うアリスに笑いながら俺は言った。
「大丈夫。こんな所に居たんですねえ。全く。皆がアリスのように優秀で気配を感じ取れる生徒ばかりでは無いのに・・・・・・。こんな所に住居を構えるなんて・・・」
そう言って俺は、目の前を見据える。
急に森が切れてそこは、洞窟の入り口が見えた。
「出て来なさい。分かってるでしょう?」
俺が言うと、中から出て来たのは、大型の熊のような魔物だった。一瞬出かけた悲鳴を慌てて押し殺して飲み込むアリス。
俺は、笑顔で言った。
「大丈夫と言ったでしょう?アリス。彼はね。私の友人の部下です。今は話せませんが、理解は出来ますから大丈夫ですよ」
俺の言葉に反応するようにコクコクと頷きながら、這い蹲る魔物の様子に、唖然とするアリス。
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