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「何を無茶な事をしてるんですか。この魔物に勝てるとでも?自分の腕を過信するのはやめなさい。現に私が来なければ、貴方は死んで居たんですよ?魔道具を過信しないで下さい。食いちぎられた部位は戻らないんですからね?」
俺の言葉に、俺が突き飛ばした生徒は真っ青になるが、他の生徒が俺に食ってかかる。
「何を偉そうに!お前に出来るんだったら、俺たちにだって出来るさ!」
「そうだ!俺たちだって、ちゃんと訓練をして来たんだ!舐めるな!」
「授業だってちゃんと受けてたんだ!出来るに決まってる!」
口々に言う彼等に、俺は溜息をつく。
そして、振り返って魔物をボックスに取り敢えず落とし込む。血の匂いは危険だからね。
地面の血はそのまま土の中に沈めてしまう。
「な!俺たちの獲物だぞ!返せ!横取りするな!」
「卑怯者!返せ!」
そう怒鳴る彼等の様子に、俺は溜息をついて言った。
「こんな魔物の多い場所で血を流すなんてね。私が切り捨てた以前に結構切り傷が有りましたから。攻撃をして居たのでしょう?周囲には血が舞ってますから」
そう。俺が消した大きな血の跡以外にも、周囲には沢山の血が舞った跡が有るし、それに木々も結構傷が入ってる。魔物が暴れたんだろうね。
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