サバイバル訓練

9/67
前へ
/274ページ
次へ
「何を無茶な事をしてるんですか。この魔物に勝てるとでも?自分の腕を過信するのはやめなさい。現に私が来なければ、貴方は死んで居たんですよ?魔道具を過信しないで下さい。食いちぎられた部位は戻らないんですからね?」 俺の言葉に、俺が突き飛ばした生徒は真っ青になるが、他の生徒が俺に食ってかかる。 「何を偉そうに!お前に出来るんだったら、俺たちにだって出来るさ!」 「そうだ!俺たちだって、ちゃんと訓練をして来たんだ!舐めるな!」 「授業だってちゃんと受けてたんだ!出来るに決まってる!」 口々に言う彼等に、俺は溜息をつく。 そして、振り返って魔物をボックスに取り敢えず落とし込む。血の匂いは危険だからね。 地面の血はそのまま土の中に沈めてしまう。 「な!俺たちの獲物だぞ!返せ!横取りするな!」 「卑怯者!返せ!」 そう怒鳴る彼等の様子に、俺は溜息をついて言った。 「こんな魔物の多い場所で血を流すなんてね。私が切り捨てた以前に結構切り傷が有りましたから。攻撃をして居たのでしょう?周囲には血が舞ってますから」 そう。俺が消した大きな血の跡以外にも、周囲には沢山の血が舞った跡が有るし、それに木々も結構傷が入ってる。魔物が暴れたんだろうね。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

730人が本棚に入れています
本棚に追加