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俺が魔盲だって判明した途端に、強硬に棄てるように言ったらしいけどね。魔法陣をすり替えてまで確実に処分したかったらしいけどさ。
そんな事を思ってたら、気になる気配を感じた。
「ん?」
俺は、そのまま木の上からそいつの気配を辿る。
そいつは、一人で小型の魔物を倒して処理を手早く済ませていた。血は穴に捨ててるし、水筒の水で綺麗に洗ってる。
大きな葉で肉を包むと、直ぐに移動を開始した。
川の近くに移動すると、水筒に水を汲んで再び移動する。そして、安全な場所に移動してそこで肉を焼く準備を始める。
何か変だなって思ってたけど、様子を見てて理解した。彼は異常に魔力量が少ないんだってね。でも、そんなはずは無いんだよね。彼の魔力の動きを見てればさ。
俺は、少し考えてから飛び降りた。彼は、直ぐに警戒をしてる。慣れてるね。サバイバルにさ。
俺は、にっこりと微笑んで言った。
「凄いですね。貴方・・・・・随分と慣れていらっしゃる。ギルドの依頼など経験された事が有るのではありませんか?」
俺の言葉に、緊張した表情のままに警戒しつつ何かを思い出したんだろうね。複雑な表情で言った。
「俺なんかより、貴方の方が慣れてますよね?気配を完全に消して木の上を移動するなんて、普通思いつきませんよ?」
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