サバイバル訓練

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そう言って、上を見上げてさっきまで俺がいた枝を見る。其処には、俺が持っていた大きな袋がぶら下げて有る。勿論、結界を施して有るけどね。 ボックスの魔法も俺みたいに便利に多用する生徒はあんまり居なかった事を思い出したんだよね。コントロールの訓練をしっかりやってないと難しいからね。ボックスも。 ボックスは魔力量とコントロールによって、大きさが変化するからね。何処に広げるかはコントロールが、物を言うしね。 俺は、苦笑して言った。 「まあ・・・・・。厳しい訓練は入学するまで受けてましたからね。僕は貴族ですし。ある程度は出来ないと許されないでしょう?」 そう言った俺に、何かを思い出しかのような表情をする彼。ああ。偽物の噂を思い出したかな? 「僕が偽物だって噂でも、思い出しましたか?まあ、ずっと表には出てませんからそう思われても仕方がないのですけどね」 そう言って、肩を竦める俺を複雑な表情で見る彼に、俺は笑顔で言った。 「それよりも、貴方ですよ。上で見て居て驚きました。随分とコントロールを頑張ってますね?」 俺がそう言うと悔しそうな表情で彼は言った。 「魔力量が・・・・少ないからな・・・・節約のためには、そうするしかないだろ?」
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