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俺の問いかけに、しばらく沈黙してから彼は言った。
「本当に・・・・・魔力が増えるのなら・・・・・お願いしたい!」
「何故?」
問い返すと、困惑した表情を向ける彼。
「何故って!俺は、魔力がない事で、ずっと落ちこぼれ扱いをされてきた!でも、そんな俺を見捨てる事なく、ずっと面倒を見てくれた友人や、両親や兄弟に恩返しがしたいんだ!頼む!ずっと・・・・このまま・・・皆の荷物になんかはなりたくない・・・・・ずっと、俺を大事にしてくれた両親に恩返しがしたいんだ!
少しでも、可能性が有るならって・・・・・随分と無理をして俺を学園に入れてくれた両親を安心させたいんだ!そして、俺はずっと強くなって、沢山稼いで恩返しをしたいんだ!」
そう言った彼に、俺はふう・・・・・っと、息を吐いて言った。
「貴方は、幸せだったんですね・・・・・そうですか。良かったですね。両親や兄弟に大事にされてたんですね・・・・・。なのに、甘えることなくそうして訓練して居たって事なんでしょうね。
ああ。今更ですけど、貴方の名前を教えてくれませんか?僕の名前は、貴方は知っているようですしね」
俺がそう言うと、彼はは!っと気がついた表情で言った。
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