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すると、直ぐに魔力が緩められた場所に集中し始めた。そして、パキイイイインンンン・・・・・・・・・・っと言う音と共に、魔力が勢いよく吹き出した。
「うあああああああ・・・・・・・・・・・・・・・・」
苦しみ呻き声を上げるケイトの様子に、俺は眉を寄せる。
そうなんだよな。俺も苦しかったからなあ。あの時は、僅か8歳になったばかりだったかな。全身の細胞が、強烈な魔力に沸騰するかのような、感覚にのたうちまわったっけ。
俺は、ケイトの様子を観察する。ケイトは急激に回り始めた魔力に苦しみのたうち叫んでる。だが、その中で、次第に魔力をゆっくり回し始めた。今迄の鍛錬の成果だね。
ゆっくり確実に回して、とうとう周囲に溢れ出した魔力をしっかりと納めてしまった。けど、そのまま気を失ってしまった。
俺は、カレンに連絡をしてケイトを抱えると、周囲を確認して一際大きな樹を見つけた。
「ああ。あれが良いや」
そのまま飛び上がって結界の中に入れて置いた俺の荷物を回収して移動する。ああ。勿論、とっくに魔力を漏らさないための結界や、ケイトが焼いた肉や焚き火をした後などの後始末は、全部済ませた。
ケイトが苦しんでる間にね。様子を見ながら唯待ってるのは暇だったし。
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