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その日は、ずっと気を失ったままだったケイトは、深夜になって漸く目を覚ました。
「ん・・・・・あ・・・・・俺は・・・・・」
そう言ってゆっくり起き上がったケイトは自分が、落ち葉を敷いた柔らかい場所に暖かい毛布に包まれている事を確認して固まった。
「目が覚めましたか?」
声を掛けた俺に驚いて、警戒しようとするも身体中が痛くて呻き声を上げてしまった。
「ああ。直ぐには動けませんよ?身体が急に浴びた強い魔力に、軽い火傷のような状態になってますから。明日までは動けないでしょうから、大人しくして居てくださいね。
ああ。警戒などは、今夜は私がしておきますから安心して下さいね」
俺の言葉に、直ぐ横の太い枝に座っている俺を見つけて目を見開くケイト。
「な・・・・・・で・・・・そこ・・・で」
俺は、クスリっと笑って言った。
「なんでそこまでって所ですかね?理由・・・・単純ですよ。私も同じ思いをしましたから」
俺の言葉に、ケイトは驚愕の表情で俺を見る。俺は微笑んで言った。
「僕も・・・・・いや、僕の場合は完全な魔盲だったんですよ。魔力が完全に封印されてました。恩人である彼女が僕の魔力を開放してくれたんです。だから、貴方の事も他人事とは思えなくて・・・・・・・」
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