サバイバル訓練

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そう言って微笑んだ俺に複雑な表情をするケイト。 「でも、貴方は運が良かった。封印は随分緩み掛けて居ましたからね。いつ、弾けてもおかしくなかった。多くの人が周囲にいる時でなくて良かったですよ。 もし、その時だったら、暴走を招いて居たかもしれませんからね。暴走を招けば、貴方の魔力量ですからね。死者も出たかもしれませんし、何より貴方自身が自分を許せなかったでしょうしね。 そして、そうなれば、貴方は貴方自身によって自分を破壊してしまいかねませんからね。そうでしょう?」 そう言った俺に、複雑な表情をするケイト。 「何故、そんな事まで分かるのかって顔ですね。この子の力なんですよ。ねえ?ルカ?」 そう。神であるルカの力で、彼・・・・・ケイトの起こり得るべき未来の可能性を覗いた結果だ。 ちょっと、卑怯だけどね。でも、これは可能性の一つ。違う結果になるかもしれないんだ。絶対じゃない。 ルカは嬉しそうに俺の頬に身体を摺り寄せる。俺はルカの頭を優しく撫でて居た。 「そう・・・いえば・・・・お前・・・使い魔を・・・ずっと呼んだままだ・・・・よな。それも・・・二体・・・・魔力は?」 「ああ。大丈夫なのかって事ですか?この子達は、一体は現地契約で側に居ても魔力は使って無いんですよ。そして、もう一体は自力で此処に居ますよ?」
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