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俺はそれを確認して思わず笑みを浮かべて居た。
「さすがだね。皆、凄いな・・・・・・」
思わず呟きながら懐に手を入れて取り出したのはあの短剣。そう。父親から渡されていたフレイム家の家紋の入った短剣だ。
俺は、その家紋を見せて言った。
「マークが帰って来たって父様に伝えて貰える?」
そう言って俺はフードを外して素顔を見せた。フレイム家の特徴だった真っ赤な髪は残念ながら、今は真っ白になってしまってるんだ。
何度も死にそうになった影響らしいんだけどね。あの森で生き残るためには、そんな思いくらいするよね。あの森は非常に高ランクの魔物が多い森なんだから。
俺の言葉に驚愕の表情になる兵士達。
「は?え?まさか?」
俺の顔を見つめて、何度も短剣との間を往復する視線。少しして、咳払いをした後、兵士は言った。
「で、では。証明に、魔力を流してみていただけますか?」
俺は短剣に魔力を流す。すると、短剣は真っ赤な炎を上げた。兵士は驚愕の表情でそれを見つめる。高密度の魔力を流さなければ、こんな現象は起きない。そして、この紋章はフレイムの血に反応するのだ。そして、それはあまり知られていない・・・いや、知られないようにしていると言うべきか。
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