サバイバル訓練

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俺は、食事を済ませて幾つか携行食料に出来るように加工した物も、袋に詰めて戻る。木の上では、ケイトは薬を飲んだんだろうな。淡い光に包まれたままに、ぐっすりと眠って居た。 魔物除けの葉を燻したものを周囲に撒いてるから、此処には大物は別として魔物は今夜は来ないだろう。 俺は木の幹に身体を預けてそのまま眠った。意識は勿論完全には落とさずに。 常に周囲に何かが起きれば目を覚ますようにしてね。当然だよな。此処は完全には安全ではないから。 ルカは、一旦天界に戻った。仕事が入ったってさ。凄く嫌そうだった。頭を撫でると嬉しそうに目を細めて、急いで戻るー!って叫んで消えた。 そして、翌朝。 早朝に目を覚ました俺は、木から降りて、身体を解して居た。その時に俺の探知の範囲に反応が有って、思わず警戒してその方向を確認して眉を寄せる。 「これは・・・・・・・あいつか・・・・・」 やたら騒がしい声が聞こえて来始めた。俺は、そのまま木の上に飛び上がって気配を消した。その時、眠って居たケイトが目を覚まして呻いたから、口を抑えて耳に囁いた。 「ちょっと大人しく静かにして下さい。面倒な人達が来ました」 俺の言葉に、一瞬にして目が覚めたんだろう。目を開けて下を伺うケイトは、聞こえてくる声を聞いて顔を歪めて頷いた。
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