サバイバル訓練

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そして、直ぐに理解した。なるほど。そう言うことか。 彼女は、留学して来た彼・・・・・ユウキのお目付役って位置だね。彼を護衛しつつ実力をつけさせながら、此方の国の要人達を取り込み味方にするように彼を送り込んで来たって所かな。 影で随分と暗躍してくれてるね。既に犠牲になった平民も居たみたいだ。全く危険な人物だよね。さて。どうしようか。 あくまでも、此処に居る俺はフレイムの長男で病弱な、知識の多い生徒って位置なんだよね。 俺が沈黙してると、調子に乗ったようにその女生徒は怒鳴る。 「ふん!やっぱり、俺が間違ってないじゃんか!黙ったのが何よりの証拠じゃんか!お前が嘘つきだって証明だろ!勝手に人のナイフを燃やしやがって!弁償しろよな! 武器持ってんだったら寄越せよ!お前が悪いんだろうが!」 そう言って、俺が腰に刺してるフレイムの短剣を見つめる。まあ・・・高価そうには見えると思うけど。これはダメだよな。 「これは、悪いけど渡せませんね。第一、フレイムの血筋・・・・・正当な直系以外は持てないようになってるんですよね」 そう言って、短剣を引き抜いてその紋章を見せる。正当な直系の証。血筋でないものは拒絶されるんだよね。
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