730人が本棚に入れています
本棚に追加
一転真剣な表情をした俺に、二人も同時に真剣な表情になる。
その様子をやっぱりクスクス笑いながら、俺は言った。
「ふふふふ・・・・・・。お願いしますね。さて・・・・・」
そう言って顔を上げた俺は周囲を確認する。そして、探知にある物を感知して眉を寄せる。
そう・・・・・・さっきのルカとの会話で出た封印された龍。その場所にあのバカが近寄ってるんだよな。一人で。
嫌な予感しかしない。あれを開放されれば、他の生徒どころか、島の外にも飛び出すだろうし。正気をほぼ失ってるようだから、倒すしかないんだろうし。
うーん。ダメだ。間違いなく向かってる。
俺の様子に、何か感じ取ったんだろうな。ザックが言った。
「なあ?何か感じたのか?」
「いや。何かを感知したようです。移動する人?ん?あの場所って・・・・」
そう言いかけて慌てるケイト。
「あ!そうだ!学園長の説明で、絶対に近づかないようにと言われてる場所だ!そこに向かってる!」
ケイトの言葉に、驚愕の表情をするザック。
「え?お前!感知出来んの?凄えな?って魔力大丈夫か?無理すんなよ?」
ああ。感知って、結構範囲が広ければ魔力を使うからね。心配したんだろ。
最初のコメントを投稿しよう!