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ぜは!ぜは!っと、息を荒げながら怒鳴るザックの様子に、さては今までもずっとやらかして来てたんだって、理解できた。
「な、何を言ってるんだ!僕には力が有るし、絶対に倒せるんだ!それをきっと彼女達も望んでる!だから、僕は倒さなきゃならないんだ!
僕が絶対に彼女達の為に倒すって、決めたんだ!その為にもお前達が邪魔なんだ!だから倒されろ!」
そう怒鳴るユウキの魔武器が再び光を放ち始めた。だが、次の瞬間。ユウキの身体は崩れるように倒れて魔武器も消えて意識を失っているのが確認できた。
「「え?ええ?」」
二人は同時に驚愕の声を上げた。
「全く。面倒な」
俺は眉を寄せて、意識を失って倒れるユウキを見つめる。すると、ユウキは目を閉じたまま無言で立ち上がる。そして、くるりと振り返り再び結界に向き合った。
俺は、ちょっとだけ迷ってから、指を鳴らす。
周囲にあった監視用の機材が全て使用不能になると同時に地面から蔓が伸びてユウキに絡みつく。
すると、ユウキは周囲に炎を発生させてそれを燃やす。結界に沿って土の壁を出現させると、それを強烈な水で吹き飛ばすユウキ。
「え?あいつ、そんなにコントロール良かった?」
俺は両手に、炎を作る。だが、その色は赤では無かった。
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