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【彼女?ドウイウ事ダ!】
そう怒鳴った瞬間だった。俺の横に彼女が来たのは。
「こう言うことよ。馬鹿ね」
そう、冷たい声で言い放ったのは、勿論、カレン。
人型で背中に蝙蝠のような魔物の羽根を生やしてる。周囲に黒い靄のように見える魔力を纏ってる。
その姿を確認した途端、悲鳴をあげて後ずさって離れようとしたのはユウキだったが、その後ろに黒い影が見えた。
「全く。みっともないわね!姿を見せなさい!往生際が悪い!」
そう言った瞬間。ユウキの後ろから黒い靄が飛び出し、ユウキは地面に倒れてしまった。意識を失ってるのに転送されないのは何故だ?とか思ってると、胸のポケットから地面に落ちたのは、全員に渡されて必ず身につけるように言われて居たペンダント。
ああ。こいつは身につけなかったんだ。だから、意識を失ってるのに転送されないんだ。全く。面倒な奴。そう思いながら目の前を見て驚いた。
黒い靄は、小柄とはいえ魔族の男だったようだが、今はカレンがそいつの頭を踏みつけてる。うん。あまり見たく無い光景だな。
「で?誰の命令?」
カレンの言葉に、ビクン!っと身体を震わせて、その魔人は答えた。
「ま・・・・・・・魔王様の・・・・・命令です・・・・」
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