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俺は、説明はルカに任せて、大きな咆哮を上げる。すると、地面に倒れこんで暴れていた龍は俺を見上げて動きを止めた。
【龍・・・・・・ダト?】
俺は口元を緩める。正気を少し戻してる。龍は数が少ないからなあ。互いに会えるのも稀なんだ。
【俺の言うことが分かるか?】
【ガ・・・・・・ガガ・・・・コロス・・・・コロス・・・・全部・・・キエロ】
ああ。ダメかなって、思った時だった。
【何故・・・・・・此処ニ・・・・イル・・・・捕マッタ・・カ】
ああ。正気と狂気の間を行き来してるのかな。
【もう無駄な事は止せ。お前の妻も子も向こうでお前が来るのを待ってる。何時迄も罪を重ねるな】
俺がそう言ったと同時に再び暴れ始めた。そして、めったやたらとブレスを吐く。周囲は凄まじい惨状だ。
俺は、掴み掛かって力尽くで、抑え込む。理性を失った龍の力では外すのは、無理だと思う。
長い身体を利用して、全身を締め上げる。喚き叫びブレスを吐いて暴れる口を鋭い爪を持った手で抑える。
そうして、俺は或る魔法を使った。これは禁忌魔法だ。だが、その理由が魔力を膨大に使うからと言った理由だから俺が使うぶんには問題無い。
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