730人が本棚に入れています
本棚に追加
【さあ。暫しの時。眠れ・・・幻夢】
龍の全身が光に包まれる。暫く龍の身体は光に包まれていた。その間に、俺は龍となっていた身体を元に戻す。
瞬時にルカがローブを被せてくれる。俺は地面に降り立って大きく息を吐いた。
「ふはあ・・・・・・・参った・・・・」
思わず呟くと、ルカの呆れた声がした。
「全くもー。当然だよー?封印を完全に解いてないのにーあんなに魔力使ってー。無茶ー」
そう言ったルカを振り返って頭を撫でる。いつの間にか、俺の横に居たからね。
「まあな。ありがとな。ルカ」
すると、ルカは嬉しそうに俺を見上げて言った。
「当然だよー。マスターのお手伝いはー楽しーもん。まさかー此処でーあれを使うとはねー。効果はーあると思うよー。正気に戻るんじゃ無いかなー。凄いねー。
本当はーあんまりーやりたく無い魔法だけどねー。時間掛かるしー」
そう言って龍を見上げるルカ。
地面にくったりと横たわって眠ってる龍。俺は、そっと龍の身体に手を触れる。
こいつは、過去に人間の軍に襲われた妻も子どもも殺された。その復讐で人間を憎み、国を滅ぼした。だが、そのまま暴走して多くの命を奪い、魔族も大きな被害を受けた。
最初のコメントを投稿しよう!