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王国だけでなく、他の国とも力を合わせてやっと、龍を封じ込めたんだ。
今、龍には過去の歴史をもう一度体験してもらってる。今度は、逆の視点からね。確かに彼の家族を殺した人間は酷かった。身勝手な・・・・・龍の力を自分たちの物に!って事で攻撃したんだ。
だが、その後は、全く関係ない龍の家族と同じように普通に過ごしていた者達を、殺して回った龍。
同じように小さな子から大人まで。全ての人間を根絶やしにせん勢いで、攻撃を続けた龍。
理不尽に大きな力に殺された、多くの人間の思い。無念のままに死んだ龍の子の思いと妻の思いも絡んで全てが、多くの視点から体験してもらう。
複雑な絡みを混ぜた魔法だったから、構築がね。
軽い頭痛を持った頭を、揉みながら言った。
「なんとか・・・・・理解してくれれば良いけどな」
「するよーきっとー。元々ー優しい龍だったもんー彼はー」
そう言って優しい表情で龍を見つめるルカ。そっか。知ってるんだよね。彼らが生きてた時代を。過去を。
そんな事を思ってると、後ろから声がした。
「あのー。いい加減で、これ・・・・解いて貰えませんか」
すると、ルカが慌てて振り返って言った。
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