サバイバル訓練

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「あー!ごめんねー!すっかりわすれてたー」 そう言って笑いながらルカは、指を鳴らした。 すると、雷帝を拘束していた物が一瞬で消えた。身体を解しながら立ち上がると、倒れたままの龍を見上げる。 「凄い・・・・・。一人で暴走してる龍を、沈めてしまうなんて!もうこのまま封印してしまいましょう!そうすれば、被害も出ないし簡単ですよね?」 そう言いだした雷帝に、俺は首を振った。 「それは出来ないよ。雷帝。また、同じ事の繰り返しになってしまう」 俺の言葉に、驚いた表情をする雷帝。 「な、何を言われるんですか!せっかく、上手く眠らせたんじゃないんですか!だったら、今のうちに!」 「だから、それじゃあ、未来の俺達の子孫に負担を先送りしてるだけだ」 「でも、こんな龍の暴走なんて、人間の手に余る事!だったら、討伐しましょう!幸い今なら簡単に倒せますよね?そうですよ!討伐すれば!」 そう言って剣を構えようとした雷帝は、再び拘束された。立った姿勢のままにグルグル巻きにされてしまっていた。 「あのねー?今、あの龍にはーとーっても高度で複雑な魔法をかけてんの!あんたが触れた瞬間に魔法が弾けちゃうんだよー?この島全体くらい一瞬で消えちゃうくらいの爆発が起きるよ?」
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