サバイバル訓練

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俺が龍と会話をしてると、雷帝はキョトンとした表情で俺と龍を見つめる。一応、今は声を出してはいけないと理解してくれて、黙ってくれてる。 まあ、勿論、龍の言葉を理解出来るはずもないけど、落ち着いてくれてるのはしっかり伝わってるだろうから今すぐに攻撃をする必要は無いと分かってくれてるようだ。 俺は龍を見上げて言った。 「お前の事は理解してる。それで、どうする?」 俺が問いかけると少し考えるような素振りを見せてから、龍は静かに言った。 【我はおそらくは黒龍最後の生き残りかもしれぬ。故に簡単に命を絶つわけにはゆかぬ。それに・・・・・今までの罪も償わねばならぬ。 我は私的な恨みで罪もない多くの命を奪う形になってしまった・・・・・・。 償わねばならぬが、龍故に、簡単に出来るものではない・・・・】 考えるように呟くと、黒龍は言った。 【我に名をくれぬか。お前は人間の中では中々の実力者なのであろう?我を使い魔にせよ。さすれば、人間の事を学べるしどうすれば良いかも自ずと見えよう】 その言葉に、俺は溜息をついた。 「なんでそんな上から目線なんだよ。お前は。本気で我儘な奴だな」 そう言った俺に首を振って言った黒龍。
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