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アリスは凄く不満そうだったが、仕方ない。あのバカが、変な暴走をするからだ。
まあ、そのおかげでダグロスを解放してやれたのは良かったかな。
ルカに言われた。器用だなと。あれだけ魔法陣を嬲れるのは凄いってさ。
まあ、カレンに鍛えられたしね。厳しい授業だったし。でも、今は感謝してる。それに助けられた事も多いし。
ダグロスは、俺とアリスの護衛兼執事として学園の寮に住んでもらう事にした。
そう言う形にでもしなければ、側に居ることが出来ないからな。ダグロスは、色々知らない事が多い。
だから、基礎は頭に直接叩き込んだ。そうして、人間というものを少しずつ学んでどう思うか考えて貰う。
良い人間も居れば悪い人間もいる。一人を見て全を知った気になるのは正しく無いと思う。
どんな種族でも、全部が同じ考えなわけでは無いのだから。
確かに彼の経験して来た事は、同情に値するかもしれないが、だからと言って許されるわけでは無いのだから。
本当に多くの命を無作為に奪った彼の罪は重い。簡単に償えるものでは無いだろう。人間側からの偏った知識による恨みもなんとかしなくてはならないだろう。
だが、本当に良かった。ダグロスが正気を取り戻せた事は。これから、何とか出来る可能性が出来たのだから。
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