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そう言ってまるで穢らわしいものを見るかのような視線を向ける王女達。
「そうだよ!お前なんか居ても居なくても変わんないじゃんか!さっさと諦めて辞めちまえよ!学園の為にもなるんだしなあ!」
「そうですわね。辞めてしまわれた方が、貴方の為かもしれませんわ」
「辞めちゃえ」
口々に言う彼女達に、其奴がどうするかと思えば、驚く事を言い出した。
「そうだね。彼もずっと無理してるだろうしね。魔力が少ないのに、皆と同じ授業を受けるのは無理してる筈だよね。皆、優しいね。自分じゃ決断できないだろうから、そうしてわざと強い言い方で促してあげてるんだ」
そう言った其奴に、王女達は益々嬉しそうだ。俺は、溜息をついて言った。
「言っておきますが、ケイトは今度のクラス移動でSクラスへの移動が決定して居ますよ?辞める理由など有りませんよ?」
俺の言葉に、全員が驚いた表情で俺を見る。
「え?移動?」
グリン!っと俺の方に振り返って言ったケイトに俺は笑顔で頷いて言った。
「元々、実力は有ったんですよ。唯、魔力量が伴ってなかっただけですからね。それを解決できた以上、クラス移動を認めない訳がないでしょう?」
俺がそう言うと、満面の笑顔で喜ぶケイト。
「やった!やった!やったああ!やっと皆を安心させられる!」
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