ダグロスと学園の生徒達

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「おい!落ち着いて話を聞け!ユーキ!」 「煩い!煩い!煩い!僕のだ!僕のだ!返せ!返せ!返せ!」 そう言って髪を振り乱して暴れる様に、周囲の生徒達は全員が引いて居た。 あの、取り巻き達でさえもだ。王女は、震えながら言った。 「ユーキ様!落ち着いて下さいまし!」 「落ち着け!ユーキ!魔武器は持ち主の物だ!絶対に取り上げる事は不当だから!」 「そうですよ?慌てないで・・・・・」 「ユーキ・・・・・・落ち着いて・・・・」 そう言って離れて声をかける彼女達の言葉に、ユーキは、正気を取り戻せないでいる。 「返せえええええ・・・・・僕のだああああああ・・・・・・・・返せええええええええ」 鬼気迫る表情へと変化するユーキの様子に、俺は思わず眉を寄せる。 そして、俺の抑えた空間で暴れまくる魔武器。この魔武器・・・・・意思を持ってるよな。だが・・・・・この意思・・・・・普通に魔武器に宿る意思とは違っている感じだな。 「おい!落ち着け!」 先生の言葉にも耳を貸さずに暴れるユーキの様子は、少し異常な感じがした。 カレンは、ふう・・・・っと、息を吐いてフワリっとジャンプすると、トン!っとユーキの首の後ろに尻尾を叩きつける。手刀を首に落としたのと同じ状況だ。 ガクン!っとユーキの意識が簡単に落ちた。さすがだね。鮮やかな手並みだよ。
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