ダグロスと学園の生徒達

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生徒達は未だ授業中のはずだから、近くには居ないはずだ。我は、周囲を確認しながら移動をして、ロビーに降りた。 そして、そのまま寮を出ようとして視界の片隅に黒い物を見て思わず足を止める。 黒い物を確認しようとそちらを見て、驚いた。 普通に見れば、何も見えないのに片眼鏡を通すと真っ黒な靄に覆われた部屋の隅の観葉植物。 これの事か?我はそのまま、意識を腕輪に向ける。すると、魔力を少し吸われる感覚と共に、淡い煌めきがその靄を覆い消して行く。 直ぐに、全部を消してしまった淡い煌めきに、我は大きく息を吐いた。 「これを・・・・・・・繰り返せと言うのか?」 思わず呟いてしまった我は悪く無いと思う。凄く面倒だ。これ・・・・・・。 やらないと言う選択肢は・・・・・・無いのであろうな。やむを得ぬか。 はあ・・・・・・・・・っと、大きく息を吐いて我は寮の外に出ると、学園の中を虱潰しに歩き始める。 何度かするにつれて、次第に独特の気配を感じられるようになったから、効率は早くなったと思う。 しかしまあ、よくもこれ程の範囲に散らばるように蒔いたものだと思う。 それ程に、多くの範囲に撒き散らされて居た。
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