730人が本棚に入れています
本棚に追加
どうやら、うまい具合にその魔道具が隠蔽までも行なっているようだった。
器用なものだと感心した。普通は、こんな複雑な魔道具を作れないんだがなあ。人間の器用さには驚かされる。
そんな事をおもいつつ、移動しながら作業を進める。
そうして居て、結構な人数を浄化した頃、数人で固まって歩いている者たちを見つけた。
「う・・・・・・・・」
思わず、呻き声が出てしまった程、彼らは真っ黒になって居た。
女の子も混ざっている・・・・・いや、殆どが女の子だな。しかし、この黒さは異常だ。こんなに黒く歪んでしまった人間は初めて見た。
だが、そのままに捨て置く訳にもいかないと思えるからなあ。
我は、力を込めて行く。その生徒達を淡い金色の光が包む。
「な!何よ!これ!どこから来てるの!」
「あ!あれ!あの人よ!魔法を使ってるの?なんで!」
「きさまあーーーーーー!」
いきなり襲いかかって来た女性を、我は避けると言った。
「いきなり何をする?」
問いかけると、そいつは我を睨みつけて怒鳴った。
「それは、こっちのセリフだ!いきなり魔法を掛けるなんて何をしやがるんだ!」
そう怒鳴るそいつに、我は溜息をついて言った。
最初のコメントを投稿しよう!