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「今の魔法に害があると、お前は言うのか?」
我の言葉に、益々殺気をも混ぜながらそいつは我を睨みつけて怒鳴る。
「私達に変な魔法を掛けると、国家反逆罪に問われるんだよ!いきなり何をしでかしてるんだ!お前は!」
我は笑みを浮かべて頭を下げると言った。
「それは失礼した。だが、我の掛けたのは只の浄化魔法だ。そなた達に害が及ぶとは到底思えぬが?」
「浄化魔法だ?嘘言うんじゃねえ!絶対に危険な魔法だったに決まってるんだ!こいつを捕まえて突き出せば全部分かるぜ!やっちまおう!」
そう言って攻撃魔法の準備を始めるその女性。我は息を吐くと言った。
「どうやら、随分深くまで蝕まれてるようだな。さて。少し強くするか・・・」
そう呟きながら、魔力を少し多く込めて行く。
すると、魔道具がより強く浄化を掛け始めた。片眼鏡に真っ黒な靄に包まれて居た彼女達の顔が少しだけ見えて来た。
だが、その中のさっきから喚いて攻撃を仕掛けて来ている女性と魔法を放つ・・・・ふむ・・・・王女か?彼女の二人は、まだ顔も見えない。
だが、他の二人は、少しずつ確実に靄が消えて行き始めて、少し時間は掛かったものの、全部を消してしまえた。
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