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そう言って、紐のついた札のような物を渡して来た。確認をして、仕掛けなど無かったので素直に身につける。
それを見て、頷いて生徒会長と名乗る生徒は、嬉しそうに言った。
「信じて貰えたようで嬉しい。では、俺様は行く。何か手伝えれば良かったのだが、俺様の出る幕は無さそうだ。
では。また何処かで会えると良いな」
そう言って踵を返して生徒会長と名乗る生徒は、教室を出て行った。
中々に興味深い人間だったな。昔のような人間は今は少なくなって居るようだ。人間も成長したのか?こんな人間ばかりだと、面白いと思えるのだがな。
そんな事を思いながら、作業を続ける。
だがまあ、本当に厄介だな。あの人間はどうなっているのだ。本当に人間なのかと疑いたくなるな。
主より預かったこの魔道具を通して見ると、よく分かる。
どうやったら、此処まで周囲に影響を与え歪めさせる事が出来るのだ?理解が出来ぬ。
我は、唯、黙々と作業に集中する。いつの間にやら陽も落ちて、周囲は暗くなっていた。まあ、勿論龍である我には暗闇など、全く影響は無いがな。
漸く、校舎内の浄化を終えたのは深夜だった。我は、溜息をついた後、周囲を確認してから転移した。今度は、王都へと。
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