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「ごばあああああああ・・・・・・・・・」
変な声を上げて、赤いローブの男は、地面に潜った。いや。違うか。勢いが良すぎて半分埋まったのか。
ピクピクと、痙攣してるようだが、大丈夫なのか?我がそう思った時、声がした。
「全くもう!確認は大事っていつも言ってんのに!ほんっっと馬鹿なんだから!」
そう言って、両手をパンパン!っと打ち合わせるようにして、埃を払うと、その緑のローブの女性・・・・・・うん。女性だな。
そいつは俺の方に向き直り、頭を下げて言った。
「ごめんなさい!引き止めて!事情は聞いたわ!一晩中作業をしてくれたのね!私達人間の為にありがとう!」
そう言って頭を上げると、ふう・・・・・っと息を吐いて言った。
「でも。凄いわね!完全な人型になってるし、ちゃんと理性的に行動出来てるし・・・・とても、昔・・・・私達を滅しようとしたあの暗黒龍とは思えないわ。本当に凄い・・・・・・」
感心したように言うそのローブの女性に、我は苦笑する。
「我は、完全に正気を失っておったのだ。数多(あまた)多くの命を失わせてしまった。その罪は償わねばならぬ。我とて世界に生きる命の一つなのだからな」
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