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応接室で暫く待ってると、館の主であるソーサリア公爵が護衛と一緒に執事やメイドも伴って現れた。
護衛は胡散臭そうにこちらを見てる。当然か。表立って来たのは今回が初めてだしね。
公爵は俺を見て一瞬瞳を瞬かせる。当然だ。見た事もない顔だから警戒したんだろ?
「確認を」
そう言った公爵の言葉に、執事は頷いて俺の側に来た。俺は直ぐに首から通行証を外して執事に手渡した。
執事が受け取って、それを公爵に持っていく。公爵はそれに魔力を流して確認してるようだ。本物か?ってね。
当然の行為だよね。少しして確認が取れんだろう。俺の方に通行証を戻すように執事に言うと俺を見て言った。
「それで。例の品は?」
頷いてから俺は背中に背負っていた包みを一度足元に置いてから中に手を入れて大きな包みを取り出した。
「これですね。気をつけて下さい。かなり厳重に梱包はしてありますが、安易に扱えば非常に危険です」
俺はゆっくりとその包みを公爵の前に置く。公爵はゴクリっと、緊張した表情で唾を飲んでそれを見つめる。
「こ・・・・・これが、本当に・・・あの品なのですか?」
その言葉に、俺は頷いて言った。
「間違いありませんよ。自分自身で、その場で確認しましたから」
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