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そう言って俺は、大きな包みのほんの一部の布をめくって見せた。それと同時に、部屋の中に強い風が巻き起こる。
それと同時に、俺はすぐさま布を閉じて抑えてしまった。
風によって煽られたカーテンなどが、元のように落ちるまで誰も声を出せなかった。
「こ・・・・・・これは・・・・一体?」
そう問いかけて来た護衛に、俺は公爵の方を見た。公爵が青ざめつつも頷いたので俺は答えた。
「この石には、強い魔力を蓄えた精霊が封じ込められているのですよ。これほど強い力を持った石はそうそう手には入らないと思いますよ?
いや。まずは手に入れられないでしょうね。人間界では・・・・」
「え?」
俺は、にっこりと微笑んで言った。
「これは、魔界で手に入れた魔界生まれの魔石なんです。しかも結構奥まった場所のね」
魔界には、魔力の元となる魔素の湧き出す場所が多く有る。その場所には、魔石も多く有るんだ。まあ、普通の人間には魔界には行く事も中で活動する事も難しいと思う。
魔界で活動する為にはちょっとしたコツが要るから、それを行いつつ活動をしなくてはならないんだよね。凄く面倒。
俺?ああ。当然のように連れて行かれて、鍛えられた。死にかけた事も多かったけどね。
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