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普通の人は魔界へなんか入らないし入る事も無い。だから、入り口が何処に有るかも知らないんだ。
魔界の住人だって、こっちには中々来れない。出口を知らないから。それに、力を抑える術を知らないと魔界からこっちに来れば、魔力を垂れ流し状態になってしまう。
そうなれば、魔力が無くなって死んでしまうんだ。
だから、必然的に魔界からこっち・・・・・人間界に来れるのは、ある程度の強さと知恵を持った者しか来れない。
そして、こっちで大掛かりな何かをしようとするなら、こっちで軍勢を作らなくてはならないんだよね。
だから、今の魔界の王が攻めて来るなんて話は実現性が難しいんだ。
ああ。また、話が逸れたね。とにかく、これは魔界で拾った魔石で魔力を沢山持ってる。
俺は公爵を見て言った。
「これは、強い意志を持ってます。貴方の目的に叶うと思いますよ」
そう言って笑顔で強く頷いてみれば、不安そうだった公爵の表情が少し安心したのが分かった。そして、公爵はゆっくりと呼吸をして気持ちを切り替えたのか言った。
「では。報酬は何時ものようにで、宜しいですね?」
俺は大きく頷いて言う。
「はい。宜しくお願い致します。では、私はこれで」
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