魔人王

聖剣の秘密

そう言って俺は公爵家を後にする。後は、公爵に任せておけば自動的にあの魔石を公爵は王家に届けてくれる。

王は間違いなく、最近生まれたばかりの幼い息子を犠牲にして魔石に封じるだろう。そうして、操ろうとするはずだ。

前の聖剣にも王の息子の魂が入り込んでいた。未だ幼い子どもは寂しさから魂を求めて集める。それが結果的に聖剣の力を高めて、更に親で有る王の言う事を聞くのだ。

王の目的は最終的に邪神を支配下に置く事だから、その息子の魂を使う事で愛情を餌に邪神を抑えさせるつもりだ。多くの集めた魂の力を使って。

それは、世界の理を歪める事に他ならない。

俺はそれを止めなくてはならないんだよね。世界の神を使い魔にした時点で俺も世界の理を守らなくてはならなくなったから。

別にそれでも構わないと思ったんだ。仲間達の為ならね。家族の為・・・・でも有るし。

俺は、屋敷を出て下町の方に移動して、宿屋に泊まる。学園の方は、学園長にギルドの依頼で休むって事にして貰ってるし、ルカは仕事で戻ってるがカレンにアリスは頼んであるから安心だ。

彼女に敵う奴は早々居ないから、心配は全然してない。戻ったら、美味しいお菓子と料理を作る約束をしてるし、一緒に寝る約束もしてる。