聖剣の秘密

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俺がそう問いかけると、少し嬉しそうに返事をして来た。 <<そうとも!俺様が~凄く気に入ってたんだ!そいつはさ~俺様に凄く懐いてたんだぞ~?なのに人間の奴は数に物を言わせて寄ってたかってバラバラにしちゃったんだぞ~?酷いだろ~?>> 俺は大きく息を吐いて言った。 ーーけどなあ。お前が邪竜をお気に入りだったように、人間同士にもお気に入りってのがあるとは思わないか?ーーー 俺がそう言うと唸るような声を返して来た邪神に続ける。 ーー家族とか友人や恋人って概念が、無いんだろ?でも、お気に入りってのが分かるんならさ、それは理解できるだろ? 自分のお気に入りが次々に殺されて黙ってるか?そんな事はしないだろ?ーー <<う~~。でもさあ~、沢山居るんだし~代わりだって沢山居るじゃん~俺様の邪竜はたった一匹だったんだぞ~?>> ーーそんな事はないよ?いくら沢山居たって、お気に入りは全部って事にはならないよ?少ないからお気に入りなんだよ?全部をお気に入りなんて言わないだろ?ーー 俺の言葉に黙ってしまった邪神に、俺は手早く移動して全部の魔道具を仕掛けてしまうと、元の食堂に戻って知らん顔をして、お茶を飲んでた。気配を戻して。
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