邪神降臨

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「はははははははは・・・・・・・・・。これで漸く願いが叶う!我こそ!我こそが世界を手に入れるにふさわしいのだ!愚か者共め!後悔するがいい!」 そう言って、未だ幼い子どもを魔法陣の中心に乗せる。その横には立派な作りの剣と見るからに妖しい黒い闇を纏う石が置かれていた。 「ち・・・・・・父上・・・・・・・」 不安そうに父の顔を見る幼い子ども。男は子どもを見て言った。 「お前は、これから我の役に立って貰う。お前にしか出来ない大事な役目だ。それは、世界の為でも有る」 不安そうな子どもに満面の笑みで男は言った。その言葉に子どもは、無理矢理不安な心を抑えつける。 「は、はい!父上!僕は・・・・・父上のお役に立てるんですよね!嬉しいです!」 身体を少し震わせつつ嬉しいと言ういじらしい子ども。俺は顔を歪めていたに違いない。子どもにとって、親は絶対なんだ。必要な知識を与えられずに育てられれば、必ず親が一番と思い込むし、正しいと思うしかない。 男は子どもの言葉に嬉しそうに歪に歪んだ笑顔を向ける。 「そうだ。お前は我の大事な息子だ。それを証明してみせろ」 そう言って魔法陣の外に向かって歩き出した。魔法陣から離れて、その魔法陣に魔力を流しこもうとし始めたのと同時に俺は魔法陣に魔力を打ち込む。
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