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それは、予め準備していたものだった。前もってこの部屋に侵入した瞬間に発見したこの魔法陣。
歪な思いで作り上げたことがありありと分かる魔法陣だった。普通の教育を受けた者が、作り上げるには苦労したと思われる魔法陣。
だが、俺は・・・・・・生憎と普通じゃない教育を受けたからな。俺は、そのまま叩きつけた魔法に仕込んだ仕掛けが作動してこの歪な魔法陣を作り変えて行く。
「何者だ!どうやって此処に入り込んだ!」
俺に殺気を向ける男は、この国の王。そりゃあなあ、お前が来る前から此処に居たんだよ。とは、言えないけど。
俺は、魔法陣の中の邪神の欠けらを持ち上げる。そいつは、まるで鼓動するかのように妖しい光を放ち始めていた。
それを持ったまま俺は床にへたり込んだままの男の子に言った。
「立ちなさい。君の一つしかない命を犠牲にして、世界を破壊しようとする男に従う必要は無い」
俺の言葉に怒りを浮かべて男の子は言う。
「な!何を!父上は、腐敗してしまった世界を救う為に、手に入れるんだって!自分が正しく導く為に僕の力が必要だって!」
俺は首を振って答える。ああ。その時には、男は既に拘束されてる。ルカの手によってね。
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