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その時、また男が声を上げた。
「どうなってるんだ!邪神は我が作り上げたこの魔法陣のお陰で此処に顕現出来るようにするはずだったんだ!
そして、その膨大な力を我は、我がものとして世界を支配する為に役立てるはずだったんだ!
何故、お前がそこに存在して我の邪魔をする!しかも、どうやって入り込んだんだ!
この国の臣民ならば、我に逆らう事は絶対に出来ないのだ!お前は、他国の人間だな!
他国の者がどうやって此処まで入り込んだのだ!クソ!返せ!邪神の力は我の物だ!」
拘束されたままで叫び暴れる男に、俺は溜息をついた。状況が分かってるのかな。この男は。
俺は、男の子どもの様子を見て直ぐに気がついた。額に魔力で印された呪印の様なものが、有った。
「なるほどね。お前、国民全てにこんなふざけた印をつけてるんだ。道理で、国全体に活気がない訳だ。思考の制限と反逆の禁止か。
それでか。こんな子どもですらさえも、お前の馬鹿げた命令に疑問を一切挟まずに、躊躇わずに・・・・・・命を捧げる決断をするなんてなあ。お前・・・・本当にクズだな」
俺の言葉に怒りに身体を震わせる男。
「な・・・・・・我に向かって、その様に無礼な言葉を・・・・・許さんぞ!許さんぞ!長い時を掛けて今迄苦労して行おうとして居たことを、全て台無しにしてくれたな!絶対に許さない!」
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