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そう言って悔しそうにしつつ、俺達を睨みつける男。俺は抱き上げたままだった少年に言った。
「暫く、俺の作った空間に避難して貰うな。こっちの様子は全部見えるし聞こえるようにしておく。椅子に座ってゆっくりとお茶やお菓子でも摘んで居ると良い。
1人じゃ寂しいだろうから、何人か獣人を相手に出来るように手配してあるから。安心しな」
そう言って男の子を俺の作った空間に入れる。そこは、小さな家のようにして、居間やキッチンや風呂やトイレまで完備させてる。
そうした上で、カレンの部下を何人か手配した。家事など得意な獣人をね。
小さな動物の姿になれるものは、何人か姿を変えて貰って、癒しになって貰うようにした。
その上で、床の下の暗い穴の中に大人しく降りてくれたヒュドラを見て言った。
「納得してくれたのか?」
俺の問いかけに、ヒュドラの頭の一つに降りてるルカが言った。
「そうだね。まあ、どっちにしても変な魔法陣を仕掛けられてるから、魂を歪めてしまってる。今は僕の言う事を理解して聞いてくれてるけど・・・・このままじゃ、世界から弾かれちゃうね」
そう言ってため息をついた。ああ。ルカは優しいから世界に弾かれれば滅するしか選択肢がない事を辛く思ってるんだろうな。
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