邪神降臨

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国中を覆った魔法陣は一斉に王が仕掛けた封印を消して行く。本人の意思を抑えて疑問を持たせず逆らわせず。 子どもは労働力という考え方も王の指示だったのだから。使い捨てのように、潰された子どもも多い。 子どもに一切の愛情を掛けないようにされて居たのだから当然だ。子どもは反抗をしないようにされて居たのだが、犯行の意思すら湧かないようにもされて居たのだから、徹底している。 自分が利用し易く言う事を聞かせて思い通りに動かす為に。 その全てを解除する。国民の全てが動きを止めて光に包まれる。自分達が今迄何をして来たのか、何をさせられて来たのか、全てを理解して記憶したまま、意識を解放していく。 王の施した呪印は、祝福として今迄は捉えられていた。誰も疑問に思わなかった。いや、思わないようにさせられていたのだが、今、その全てが白日の元へと晒されて行く。 解放されて、光の治った国民は暫し呆然とした後、次第に目に光を取り戻して行く。 そして、国の兵士たちを先頭にして次々に身近な武器を構えて城へと進軍を開始し始める。 中には衝撃の記憶のあまりにその場で命を絶とうとする者も居た。が、それは周囲によって止められる。命を絶とうとした者は気がつく。自分だけでは無いのだと。
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