邪神降臨

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被害に遭ったのは自分だけでは無い。それに気がついた時。誰も命を絶とうとはせずに、前を向く。そして、互いに支えあうようにして心を癒す。 そして、多くの国民たちが一斉に城に向かって進軍を開始し始めた頃。俺たちは、それを確認してから、此処の場所を崩壊させる。 全てを崩れ落とさせて元々ヒュドラの隠されて居た場所へと落とし込む。勿論、ヒュドラが周囲に撒いていた毒は完全に中和させて消してある。 落とし込んで更地にした場所に、柱を立ててそこに男を縛り付けると、ルカはミカエルに言った。 「魂の回収を頼んだよー?逃げると思うから気をつけてねー。まあーそれを使えば簡単に回収できると思うけどねー」 そう言ってニッコリ微笑むルカの様子に、ミカエルは笑顔で言った。 「はい。承知致しました」 そう言って水晶玉を構えるミカエルに、頷いてからルカは手のひらを男に向ける。 「さて。報いを受けて貰おうか?楽に死ねるとは思わない事だね」 ルカの言葉に、聞くに耐えない罵詈雑言を浴びせ掛けてくる男に、ルカは無表情で言った。 「何を言っても無駄だよ?君の罪は重いんだ。僕の世界を苦しめたんだ。しっかりと報いは受けて貰うよ?」 そう言って無表情のままに口元を釣り上げるように笑みを向けるルカの様子は、非常に恐ろしいものだった。
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