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「お、お前は・・・・・・全て?」
俺は掠れるように声を絞り出して言った父様の言葉に頷いて言った。
「うん。全て知ってる。此処にある書類に、行われていた事実が書かれてますよ」
俺がボックスから書類の束を出して父様に渡すと、ギリギリと歯ぎしりをするようにして、ロジャーは怒鳴る。
「そんな書類など!嘘に決まってる!捏造してわしを陥れようとでも言うのか!貴様!何者だ!たかが、お前のようなガキが本物の王の辞令書など持っているはずが無い!」
ロジャーは、俺を睨んだまま言うが、まだ、さっきの殺気による身体の震えが止まらないようだった。
俺は溜息をついて言った。
「あれほど酷い行為をしたと言う事を告発されても、まだ捏造だと言い張りますか?あんな行為。まともな神経なら行いませんよ。
いくら、伝承に囚われたとは言っても、あり得ない行為ですよ?」
俺の言葉に、俺を変わらず睨みつけるロジャーと、震えながら書類の束を見つめる父様。
「マ・・・・・マーク・・・・・・これは・・・・全て・・・・」
額に汗を滲ませて、父様が俺に言った。俺は頷いて言う。
「そうです。全て本当ですよ。彼は・・・・・伝承の魔人王を自分の力で生み出したかったんでしょうね」
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