魔人王

ただいま！

そう。魔人王はフレイム家から生まれると伝えられている。事実かどうかは分からないが、他の属性の貴族達よりも強い魔力を持つ者が多く生まれているのも事実。

だが、実際に魔人王と呼ばれる者がどう言う者なのかは、誰も知らないのだ。

唯、膨大な魔力を持っていて、世界に生きる者全てを従えると言われている。神や魔族ですらも。

確かに、人がそうした力を手に入れられるとなれば、そうした力を渇望するのも分からなくは無い。利益も計り知れないかもしれない。

だが、それにより失われる物も多いのでは無いだろうか。俺は、そう思っているがロジャーはどうやらそうでは無いらしい。

得られるであろう利益だけを目指しているように見受けられた。

「ロ、ロジャー様・・・・これは・・・事実ですか？」

父様が問い掛けると、フン！っと鼻息も荒く否定するロジャー。

「こんなもの！事実の訳があるまい！領民を攫うなどありえん！わしは今まで王より拝領したこの領土を先祖代々守って来たんじゃ！何を疑う！第１、お前には出て行けと言ったはずじゃ！こんなガキの言うことなど、信憑性が無いわい！」

そう言って俺を睨みつけるロジャー。全く。本当に面倒だな・・・・。