ただいま!

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俺は、ため息混じりに言った。 「猫ねえ・・・・・・。猫って言葉を話せましたっけ?」 ニッコリと微笑みながら言ってみた。すると、父様は事実に気がついたのか顔を引き攣らせるが、ロジャーは、俺を睨みつける。 「ふん!どうせ大した使い魔ではあるまい!さっさと出て行け!」 ロジャーは、絶対に机から離れないし、立ち上がりもしない。理由?まあ、足が弱ってるってのもあるけど、そこに特殊な魔法陣があって座ってる者を守るように働いてるんだ。 だから、自分は絶対に安全だと思ってるんだろうね。結構強い魔法陣を仕掛けてあるし、危害を加える者に仇なすように作ってあるからね。 でも、残念ながら俺には効果は無いし・・・・勿論、カレンにも部下にも効果は大して期待できない。 俺は、天井から見下ろしている部下の方を見た。部下も俺を見てる。そして頷くと言った。 「ヤレ」 その瞬間だった。一瞬にして、ロジャーの姿は椅子ごと床の影に飲み込まれるように消えた。悲鳴も聞こえなかった。息を呑む父様に、俺は静かに言った。 「すみません。父様。ロジャー様の所業は、到底看過できる物では無かったので・・・・・・王に報告し、処罰の対象となってしまいました」
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