ただいま!

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「はあ・・・・。そうか。そうなのだな」 呟くように言った後、父様は大きく深呼吸してから、気合いを入れるかのように、自分の両頬をパァン!と大きな音をさせて叩くと、言った。 「良し!マーク。いや、神帝様と呼んだ方が良いのかな?」 父様の言葉に、俺は苦笑してローブをボックスにしまうと言った。 「マークで、構いませんよ?父様」 父様は、俺の言葉に頷き言った。 「分かった。では、先ず此処を元の場所に戻して欲しい。セバスチャンを呼ばなければならないから」 俺は頷いて、指を鳴らす。パキン!っとガラスが割れるかのような音が響き渡った。 それと同時に、部屋の扉を勢い良く開けてセバスチャンが、飛び込んで来た。 「旦那様!御無事ですか!」 そう緊張した様子で飛び込んで来たセバスチャンは、部屋の中を一瞬で見回し把握する。 床に倒れているロジャーを見て、父様を見たけど、父様が首を振ったのを確認して、なんとホッとした表情を浮かべたのだ。 「セバス?」 その様子に、父様が困惑したように問い掛けた。父様の問いかけにセバスチャンは、笑みを浮かべて言った。 「本来は・・・宜しくない事なのでしょうが・・・・・ずっと、私ども使用人達は危惧しておりました」
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