魔武器と召喚

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そう思ってると、声がした。 「たかが猫の使い魔に何を気にしてらっしゃるのですか!先生!仮にも帝なのでしたら、僕のように下位とはいえ龍を召喚出来た僕を褒め称えるべきではありませんか!」 そう言ったのは上級貴族の生徒だった。その生徒を冷めた表情で見て、フレッドは言った。 「お前は、使い魔の本質を見れて居ない。見た目が全てではない事が分からないのか?」 そう言ったフレッドに、怒りの表情をするその貴族の生徒。 「何を!そんな本物か偽物か分からない生徒に肩入れをするなんて!たかが猫に興味を持つなんて!全く馬鹿げてる!そんな猫!潰せ!」 そう言って、自分の使い魔に攻撃をさせようとした生徒。 その瞬間だった。俺の右肩から、カレンが飛び降りてその生徒を見上げる。そして尻尾を左右に揺らし始めた。その様子に攻撃を指示された下位の小さな龍は、攻撃をしようと襲いかかろうとした。 だが、空中でその龍は止まってしまった。何故なら、何処からが黒い蔓のようなものがその龍に巻きついて拘束してしまったからだ。 蠢く黒い蔓に巻き込まれて、全く動けなくなった龍の周囲に黒い炎の人魂の様なものが、幾つも現れた。 その様子に、顔を引き攣らせるフレッド。
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