魔武器と召喚

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「オ前ハ、何ヲシテイル?」 地の底から響くような恐ろしい声だった。普通ならば、身体が恐怖に震え出しそうな恐ろしい声に、フレッドは顔を歪める。俺は、真剣に集中して魔樹を剥がしている真っ最中だし、他の事まで回らない。 難しいんだって。しかも初めてするし。 「見て分かるでしょう?引き剥がしてるのですよ。この魔樹は、使い魔契約を普通に行えそうですしね」 俺の言葉に、ピクンと鎌を揺らして死神は、殺気を放ち始める。 「ドウイウ事ダ?コノ者達ハ、処罰サレルベキ者達ノ筈デハ無カッタノカ?」 その時、俺の肩に乗っているルカが、死神の方に向いて言った。 「それにしてもー随分ー遅かったよねー?何をしてたのかなー?」 ルカの言葉に、ルカに殺気を向けようとして、何かに気がついたのか、急にアタフタと慌てる様子を見せる死神。 「イヤ・・・・ソレハ・・・・・・ソノ・・・・」 その様子に、ルカは目を細めて尻尾を左右にユラユラと揺らしながら言った。 「内容によっては問題だよねー。僕ねー仕事がいい加減なのー嫌いなんだよねー。どうなのかなー?」 ルカがそう言うと、真っ白なはずの骨が、青ざめるのが見えた。骨って、色が変わるんだ・・・・・。 初めて見たよ。知識では、ルカから貰った物にあったけどね。
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