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ただいま!
あれからあっという間に10年の月日が過ぎていた。俺は、フレイム家の正面に立っていた。風が俺の羽織ってるローブをはためかせる。
俺は大きく深呼吸する。
「さて。行くか」
そう言った俺の肩には真っ赤な毛並みの猫が、乗っていた。俺は頭を撫でながら言った。
「さあこれからも、頼むぜ?宜しくな」
俺の言葉に、尻尾を振りながら目を細める猫。俺は笑顔でそれを確認してから一歩を踏み出した。
その瞬間。俺の周囲に何人もの兵士が俺に向かって武器を構えて立って居た。ああ。 勿論気がついてたけど、この場合はスルーは出来ないからなあ。
俺が動きを止めてるとその中の一人が警戒したまま言った。
「貴様!何者だ!此処を、フレイム家の屋敷と知った上での振る舞いか!答えろ!」
俺は、動かないままで言った。
「えっと。俺が何で此処に来たかを証明するのに、懐に入れてある短剣を出したいんだが・・・・・・出しても良いか?」
俺がそう言った瞬間。周囲の兵士達は一斉に俺からある一定の距離を取り、尚且つ俺の周りに結界を張った。転移をしてから逃げないようにする為かな。それと、自分達に被害を出さない為だな。さすがだね。瞬時にそれをやるんだからさ。
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