3人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ!?会社辞めた!?」
「……です」
ワタシと母はアパートに帰ってきていた。
母はソファーに座り、コーヒーカップを手にこちらを見上げている。
「アンタちょっとぉ…なんでそんな大事なこと!!相談してくれてもいいじゃない!!」
アタシは慌てて手で母を宥める。
「いやぁ、なんか勢いみたいなトコもあって…」
母は皺になった眉間に指で摘まんみながら。
「あ――――やんなっちゃう。やっぱり母さんアンタを1人にしとくの不安だわ」
というと両手を膝の上で組んだ。
「アンタ。これを機会に秋田に帰ってきなさい」
アタシは母から視線を反らしながら
「……や、やだよ……」
と小さく反抗してみる。
「…じゃあアンタ、このまま東京にいてどうするつもりなの?」
視線を逸らしたまま「それはっ、……まだよくわかんないけど……」と言った瞬間。
母が大声で怒鳴る。
「わかんないって……何、子供じみたこと言ってんの!!」
アタシの声も自然と大きくなる。
「う…うるさいなぁっ!!子供じゃないもん!!お母さんだってズルイよっ!!いきなり来て色々言って!!平気だよっ、アタシ達のことはアタシ達で決めるもん!!」
アタシはたまらず勢いよく家から飛び出した。
(あ~~~~~~~~~~~もう!!)
(全然ダメじゃん!!全然あたし子供じゃん!!)
最初のコメントを投稿しよう!