動物園

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「えっ!?会社辞めた!?」 「……です」 ワタシと母はアパートに帰ってきていた。 母はソファーに座り、コーヒーカップを手にこちらを見上げている。 「アンタちょっとぉ…なんでそんな大事なこと!!相談してくれてもいいじゃない!!」 アタシは慌てて手で母を宥める。 「いやぁ、なんか勢いみたいなトコもあって…」 母は皺になった眉間に指で摘まんみながら。 「あ――――やんなっちゃう。やっぱり母さんアンタを1人にしとくの不安だわ」 というと両手を膝の上で組んだ。 「アンタ。これを機会に秋田に帰ってきなさい」 アタシは母から視線を反らしながら 「……や、やだよ……」 と小さく反抗してみる。 「…じゃあアンタ、このまま東京にいてどうするつもりなの?」 視線を逸らしたまま「それはっ、……まだよくわかんないけど……」と言った瞬間。 母が大声で怒鳴る。 「わかんないって……何、子供じみたこと言ってんの!!」 アタシの声も自然と大きくなる。 「う…うるさいなぁっ!!子供じゃないもん!!お母さんだってズルイよっ!!いきなり来て色々言って!!平気だよっ、アタシ達のことはアタシ達で決めるもん!!」 アタシはたまらず勢いよく家から飛び出した。 (あ~~~~~~~~~~~もう!!) (全然ダメじゃん!!全然あたし子供じゃん!!)
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