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おずおずと声をかけると彼は表情一つ変えず
「なんだ」
と答えた。
「あの、ええと」
な、なんて聞けばいいんだろ。えーと。
僕がまごついていると、突然大きな音を立て障子が開かれる。
「おっ、ほんとに目覚ましてる。すごいな」
可愛らしい声に、二カッとした笑顔。小柄な、まだ幼さの残る風貌。
短い黒髪に大きな瞳の、男と同じく着物に帯刀したその少年は、僕の顔をまじまじと見つめた。
……だ、だれだこいつ。
「お前の言うとおりだったな、華原」
彼は首だけ回し振り返る。と、彼の後ろから知った顔がのぞいた。
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