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ちょっと、非現実的過ぎやしませんか……。タイムスリップじゃん。SFからドラえもんまで幅広くネタにされてるタイムスリップじゃん、これ。
……夢か何かかな。ほっぺをつねってみると。……あぁ、やっぱり痛い。夢じゃない。なんてこった。
「あはは、何やってんの、お前!」
突然頬をつねった僕を、少年もとい藤堂平助は大笑いする。……教科書に載ってはいないものの、君も現代にファンの多い歴史上の人物の一人なんだから、もうすこしちゃんとしてくれないかな。悲しくなるから。
……で、えーと。
ところで、ここが幕末だとして、なんで僕らはこんなところにいるんだろう。
マンションを出たところまでは覚えているのだけれど。
「……なんで、僕はここに?」
呟くように尋ねると、それなら、と藤堂さんは説明してくれる。
「近藤さんからの指示で見回ってたら、華原兄貴のほうがお前を背負いながら誰かに追われててな。とりあえず助けて、怪我してるようだったから屯所につれてきたんだ」
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